第一章 目覚めの凱歌

8/10
前へ
/10ページ
次へ
 ザッザッザッ と、暗闇の向こうから、大きな音が響いてくる。規則正しく土を踏みしめる音、沢山の金属が触れ合う音。沢山の人が近づいてくる。 途端に震えだす身体。恥ずかしいくらい臆病で、弱くて、もう泣き出してしまいそう。  でも……どんなに怖くても……泣き出したくても……私は、後に引くつもりはありません。 「どうか、見ていて下さい」 夜空に小さく呟くと、やって来る人達の方を向いた。 私は決して逃げないと…… 対峙すると決めたのですから…… .
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加