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「高校まで…道が複雑だよね…」
「え?」
「いつもは違うんだよ! いつもは道に迷ったりしないんだけど…。その、今日は第六感がうまく働かなくて…」
なるほど、読めてきた。
多分、彼女はここに越してきたばかりで、高校の場所をよく覚えていなくて迷っていたんだろう。
「お前、越してきたばかり?」
図星なのだろう。
俺の言葉を聞くと、彼女は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
しかし、すぐに顔を赤くし反論してきた。
「失礼なっ!! 私は15年間この町で育ってますっ! 巷では、私は賢くて可愛いって有名なんだよ?!」
…こいつ、アホだ。
賢い奴が道に迷ったり、そんなアホな言動するかよ。
まともに相手するのが嫌になったので適当に流して、用事を済ませる事にした。
「あー、悪かったな。後、高校はそこの突き当たりを右に曲がって真っ直ぐ進んで信号を渡れば着くから。」
完璧な説明をした俺は違うルートで学校へ行く事にした。
だってアホには関わりたくないし。
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