一話 「入学式だよっ! 全員集合っ!!」

7/9
前へ
/9ページ
次へ
校内の廊下にはクラス分けの表が張り出されていた。 ほとんどの生徒が蟻のように集っていたので、人が引くまで待ってから確認した。 一年…三組か。 仲良しの友達と同じクラスになれて喜ぶ生徒、またはその逆で嘆く生徒などが騒いでいたが、俺からするとクラス分けなんてどうでもいい。 無言で廊下から立ち去り、教室へ向かった。 教室にはまだ来ていないクラスメイトが大半のようだった。 しばらく待っていると、ちらほらとクラスメイトが教室に集まりだした。 じっと席に座っている俺を見かねたのか、何人かのクラスメイトが話しかけてきたが、相手にせずに会話を流した。 正直…罪悪感はあるんですけどね。 高校だって所詮中学の延長だ。 どうせ、またしばらくしたら『あの噂』が広まるだろうし。 気がつけば既に教師が来ていたようだった。 マジメそうだし、教師は仕事としてやっているって感じだ。 うん、まぁそっちの方が都合はいい。 変に熱血が入ってても関わろうとしてくる分、面倒だ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加