1人が本棚に入れています
本棚に追加
教師が皆へ向かって挨拶をし、校内の決まり事などの説明を始めた。
一通り説明が終わると、クラスメイトを知るために自己紹介という流れになった。
出席番号順に席を立ち、名前と趣味などを、時折面白くもないギャグを織り混ぜながら言っていく。
中学時代に見知った顔も幾つかいた。
そして、俺の番が来た。
「出席番号26番、藤崎 優。 …よろしく」
周りの空気が固まったのが分かる。
これだけ愛想のない自己紹介だ、当然だろう。
俺が席に座ると、何人かが俺を見ながら小声で喋っているのが見えた。
…何て言われてるのかね。
まぁこうなるのは分かっててやったんだけど。
次のクラスメイトの自己紹介が始まり、視線が俺から移っていく中、一人だけじっと俺から目を離さない奴がいた。
…うわ。
こいつ、朝のアホだ。
同じクラスとか、嫌な予感がひしひしとする。
早く他所向けよ。
俺の願いは通じなかったのか、居心地が悪くなるほどこちらを見つめているのが分かる。
…ええいっ!
仕方なく俺は朝のアホに目を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!