一話 「入学式だよっ! 全員集合っ!!」

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俺と目が合うと、彼女は目線で何かを訴えてきたようだった。 いや、内容は分かんないし。 アイコンタクトなんて高等技術、俺にはできないから。 早々に理解するのを諦めて、目線を外した。 ボーッと明後日の方向を見ている内に今日は解散になった。 周りが新しい友好関係を作っていく中、俺は1人鞄を手に取り教室から出ていった。 「待って!!」 校門を出て、特に何も考えずフラフラと帰路を歩いていると後ろから声が聞こえた。 後ろを振り向くと例のアホが息を切らせて立っていた。 …俺は何も見なかった。 そのまま自然な動きで何事も無かったように歩きだす。 今日の夕飯何かな。 肉がいいよな、肉。 「えぇっ?! 無視!?」 唐揚げとか…いいよな。 帰ったら頼んでみよう、そうしよう。 「…っうわ?!」 夕飯について考えを巡らせていると、後ろから思い切り肩を掴まれた。 前に進もうとしていた所を後ろから止められて、後ろにのけ反り、転げそうになる。
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