第2章 分岐点

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数日して、だんだんと新入部員が入ってきた。 俺もピッチャーとしての練習を毎日楽しく頑張った。 まだ始めて数日ながらも様になっていたことは顧問も周りの先輩も、そして俺も分かっていた。 人間自分が楽しいと思えることは頑張れる。 例え数学が大嫌いだったとしても、たまたま問題が解けたり、受け持つ先生が面白くて楽しい授業だったら、やる気になるよね? 俺はそんな性格だった。 そして月日が流れ、始めての地区大会が始まろうとしていた。 同時に何か歯車が狂いだした瞬間だった。 大会一週間前レギュラー発表が行われた。基本的にはうちの学校は年功序列が残っていて、上手だろうが下手だろうが3年生がベンチを固めてきた。 そんな中うちは投手が少なかったため、俺もベンチ入りすることになった。 背番号15。俺が始めてもらった背番号。立派な数字ではないが、1年生でベンチ入りができたことに、父も母も俺も単純に嬉しかった。 試合用のユニフォームに背番号を縫いつけている母の顔は今でも忘れない。 そして試合当日、待ちに待った日がやってきた。 そして俺にとっては最悪な1日になった。
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