第6章 怪童の影

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楓はベンチに戻ると柊マネージャーのところに向かった。 「柊マネージャー、御堂の4番のデータありますか??」 「あるわよ。えーと・・・これよ。」 「ありがとうございます。・・・これは!?」 「そう見てわかるように御堂の4番田山くんは何故か全試合の第一打席は必ず見送りの三振なの。そして2打席はホームランを打ってるわ。唯一打てなかったのが夏の大会の2回戦で負けた、本郷高校の時と、春の大会の3回戦で負けた白糸南高校の時よ。」 「つまりわざとですか??」 「それはわからないけど次の打席注意した方がいいわね。」 田山佑介・・・いったいどんな打者なのか、楓は頭で一杯だった。 すると周都が嬉しそうにかけよって来た。 「楓見たかった今の!!技ありだっただろ??」 「えっ!?技あり??何が??」 「何がってさっきのホームランだよ2本目のホームラン!!」 「ホームラン!?」 楓がスコアボードを見ると1点が加わっていた。 「あっ本当だ。柊マネージャーと話してて分からなかったよ。」 「何を話してたんだ??」 「御堂の4番のこと。さっきの見送り三振なんか違和感を感じてな。」 「やっぱり楓もか。それがあいつどこに投げてもピクリとも動かないんだよな。普通はそんなことないんだけどな。たがら多分手が出なかっただけだな。」 「まぁそういうことにしとくか。とりあえず次の回を抑えないと。」 「そうだな。」 そして周都とキャッチボールに向かった。
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