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対戦相手は隣町の神坂南中学校だった。
何回か練習試合もしたことがあったし、お互い顔見知りの連中だった。
それでも練習試合はうちが大きく勝ち越していたので、みんなどこか余裕な雰囲気があった。
開始早々神坂第一中の攻撃が火をふく。
初回に2点、2回に2点
5回に3点、7対0と大きく突き放した。
誰もが余裕を浮かべていた時事件は起こった。
6回の裏神坂南の攻撃
ツーアウトランナーなしから神坂南の4番が痛烈なピッチャーライナーを放った。
カキーンという綺麗な金属音のあとドコッっと鈍い音が響いた。
うちのエースの右肩に当たった。しかしうちのエースもなんとかボールを拾ってアウトにした。
その回は終了したがベンチに戻ったエースの表情は険しい。
続投は不可能だった。
そして顧問の口から待ち焦がれた一言が出る。
「藤堂、準備してくれ。最終回行くぞ。」
俺は胸が踊った。
ブルペンで周都とキャッチボールをして肩を作る。
俺には自信があった。この数ヶ月とにかく練習した。練習試合でも結果を残した。
しかも点差は7点でアウト3つとればいいだけ。
余裕だと思っていた。
しかし数十分後俺はベンチで鳴き崩れていた。
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