第7章 公式戦

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1回の裏庄栄学院の攻撃。 トップバッターの夏樹がバッターボックスに入る。 1回、2回と素振りをし、一礼する。 『球種の多いピッチャーだったね。粘って軌道を見極める!!』 「プレイボール!!」 キャッチャーの斎藤がサインを出す。 『外角にストレート。』 片平が振りかぶる。 シュッ・・・バシッ!! 「ストライク!!」 『ストレートか・・・これくらいならついて行けれるな。』 片山が2球目を投げる。 シュッ・・・バシッ!! 「ストライク!!」 『またストレートか。2球続けてストレート・・・そろそろ変化球か??』 しかし斎藤は夏樹の裏をかく。 『もう一球ストレートだ!!』 シュッ・・・ 『なっ!?ストレート!?』 キン・・・打球は三塁スタンドへ。 『よく当てたな・・・。裏をかいたと思ったがな。』 「いいぞ夏樹!!ナイスカット!!」 周都がベンチから激をとばす。 『次は変化球だろう。カーブかチェンジアップにヤマをはる!!』 夏樹は相手の球種を読んでヤマをはり打つタイプの打者である。これまで、色々なキャッチャーの考えを読みとりヒットにしてきた。 しかしこの打席は斎藤に軍配があがった。 『そろそろ変化球だと思ってるだろう。だがもう一球内角高めにストレートだ。』 片平が振りかぶる!! シュッ・・・『またストレート!?振り遅れる・・・。』 バシッ!! 「ストライクバッターアウト!!」 須川南側のスタンドから歓声が沸き上がる。 「夏樹が三振なんて珍しいな。」 楓か夏樹を励ます。 「読みが外れちゃったよ。変化球にヤマはってたけど、全部ストレートだったよ。」 「次の打席があるさ!!」 「そうだね。次は打つよ。」そう言って夏樹は、ドリンクを飲みに奥へと入って言った。
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