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1回の裏庄栄学院の攻撃。
トップバッターの夏樹がバッターボックスに入る。
1回、2回と素振りをし、一礼する。
『球種の多いピッチャーだったね。粘って軌道を見極める!!』
「プレイボール!!」
キャッチャーの斎藤がサインを出す。
『外角にストレート。』
片平が振りかぶる。
シュッ・・・バシッ!!
「ストライク!!」
『ストレートか・・・これくらいならついて行けれるな。』
片山が2球目を投げる。
シュッ・・・バシッ!!
「ストライク!!」
『またストレートか。2球続けてストレート・・・そろそろ変化球か??』
しかし斎藤は夏樹の裏をかく。
『もう一球ストレートだ!!』
シュッ・・・
『なっ!?ストレート!?』
キン・・・打球は三塁スタンドへ。
『よく当てたな・・・。裏をかいたと思ったがな。』
「いいぞ夏樹!!ナイスカット!!」
周都がベンチから激をとばす。
『次は変化球だろう。カーブかチェンジアップにヤマをはる!!』
夏樹は相手の球種を読んでヤマをはり打つタイプの打者である。これまで、色々なキャッチャーの考えを読みとりヒットにしてきた。
しかしこの打席は斎藤に軍配があがった。
『そろそろ変化球だと思ってるだろう。だがもう一球内角高めにストレートだ。』
片平が振りかぶる!!
シュッ・・・『またストレート!?振り遅れる・・・。』
バシッ!!
「ストライクバッターアウト!!」
須川南側のスタンドから歓声が沸き上がる。
「夏樹が三振なんて珍しいな。」
楓か夏樹を励ます。
「読みが外れちゃったよ。変化球にヤマはってたけど、全部ストレートだったよ。」
「次の打席があるさ!!」
「そうだね。次は打つよ。」そう言って夏樹は、ドリンクを飲みに奥へと入って言った。
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