第7章 公式戦

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「セーフ!!」 スタンドから歓声が起こる。 ノーアウト1、3塁須川南の先制のチャンス。 庄栄ナインがマウンドに集まった。 「ごめん、迂闊にセカンドカバーに入っちゃって・・・。」 葵が申し訳なさそうに謝る。 「しょうがないさ。俺も簡単に投げちゃったったしさ。牽制入れとくんだったよ。」 楓が慰める。 「とにかく守備体型の確認しよう。バックホーム体型でいこう。スクイズにも注意しよう。」 夏樹がみんなをまとめそれぞれの守備位置へと散らばる。 打席には道原が右打席に入った。 『一球牽制挟んどこうぜ。』 楓が3塁へ牽制球を送る。 『外野フライでも一点だ。低めに集めていこう。外角低めにストレート。』 楓がうなずきセットポジションから1球目を投げた。 シュッ・・・ズバーン!! !? 電光掲示板には144㎞の文字。 『また少し速くなったか!?』 打席の道原と周都が驚く。 『このストレートなら打っても飛ばねぇな。力で押すぞ。もう一丁ストレートだ。今度は内角低め。』 シュッ・・・バシッ!! 143㎞!! 『気合い入ってるなぁ。緩急つけてカーブ!!』 シュッ・・・パン!! 「ストライクバッターアウト!!」 道原は緩急についていけず空振り三振となった。 そしてワンアウト1、3塁となって7番の林田を迎えた。
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