第7章 公式戦

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『浮いた!?』 林田も完璧にバントしたと思った。 しかし楓のストレートは異常なノビを見せ、ホップしたような感覚に陥った。 周都も同じである。 結局林田も三振し。2回の裏庄栄学院の攻撃を迎えた。 「みんなよく守りきった。いいリズムだ!!この回点とるぞ!!」 真田監督のかけ声がベンチに響き渡る。 そして打席には周都を迎えた。 「周都!!打ってぇ!!!」 スタンドから円香の声が聞こえる。 しかし周都は打席に集中しているのか反応しない。 「なんか凄いな・・・。集中力が半端ない。オーラ出してる。」 友人がつぶやく。 美咲周都。普段は落ち着きがないが、公式戦の打席だけは違う。人間が変わる。集中力が半端ない。 今日の周都の集中力は楓と夏樹も今まで見たことないほどだった。 キャッチャーの斎藤も異様な雰囲気を感じとった。 『初球からストライクは危険だ。カーブを外角に外そう。』 平山が投げる。 シュッ・・・パシッ 「ボール!!」周都は平然と見送る。 『ピクリともしないな。内角にストレートを外そう。』 シュッ・・・バン!! 「ボール!!」 『様子見してるのか??もう一球内角に真っ直ぐだ。今度はストライクで。』 シュッ…バシン!! 「ストライク!!」 『ここまでまったく動かないな。慎重なバッターなのかな。外角にチェンジアップだ。緩急をつけたこの球にはついてこれないだろ。』 平山が振りかぶりチェンジアップを投げる。 「よし!!」 周都が呟きバットを振る。 カキーン!! !?
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