第7章 公式戦

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打球は低い軌道で一気に外野を突き抜ける。 左中間を突き破りフェンスに直撃。 余裕の二塁打となった。 周都がタイムをかけベンチに戻ってくるなり信じられない言葉を発した。 「みんな聞いてくれ。あのピッチャー投げる癖が球種によって違う。ストレートを投げる時、肘をあげようと意識してるのかわかんねぇけど、明らかに肘の位置が高いんだ。 あとチェンジアップだが普通のサイドよりもアンダーっぽくなる。そこに気をつけて打ってみてくれよ。」 「チェンジアップの癖って今日初めて投げたのにそんなことわかるのか??」 泰介が尋ねる。 「あぁ、ブルペンで投げるの見てたからな。他の球種はまだわかんねぇ。だけどあのピッチャーの気をつけるところは、緩急と落差の大きいチェンジアップだけだ。ストレートもさほど速くねぇしな。いくら緩急つけてもストレートか変化球かわかれば意味ないからな。 とりあえず注意して見てくれ。」 そう言って周都は二塁へ戻った。
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