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どのくらい俺は黙りこんだのだろう。
気がつくと、父が俺の体をゆすっていた。
「楓、どうした?体調悪いのか?」
「あっごめん。ちょっと考え事してた。」
そして真田が再び口を開いた。
「どうだろう楓くん?庄栄に来ないか?私達と一緒に野球をやらないか?」
俺は静かに口を開いた。
「自信がないんですよ。さっきも言いましたが、俺は地区大会ベスト32のどこにでもいるような普通のピッチャーなんですよ。特別速い球を投げれる訳でもなければ変化球がいい訳でもない。
それは自分でもよく分かってるんですよ。
そんな自分をスカウトしに来たって言われても・・・」
真田が少し笑いながら口を開いた。
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