第2章 分岐点

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「楓くん、君は少し勘違いしていないかな?私はプロのスカウトじゃないんだよ。」 俺には真田さんが言っている意味が分からなかった。 真田は続ける。 「私がもしプロのスカウトなら私は君をスカウトしに来たりはしていないだろう。なぜなら君の言う通り君はまだどこにでもいるような普通の選手だからだ。でもそれはプロの話しだ。 プロのスカウトというのは主に、高校生や大学生、社会人に注目する。それはなぜかというと、高校生なら例外もあるが、ある程度身体も成長して、技術的にも成長しきっているから、即戦力となりそうな人材をスカウトするんだ。 でも楓くん、君は違う。君はまだ中学生なんだ。まだまだ身体も成長するし、技術も指導によって格段に成長する見込みがある年齢だ。私は君の将来を買ってスカウトしに来たんだ。 高校3年間の努力次第ではもしかしたら日本を賑わす怪物になるかもしれない。私はその可能性を君に見いだしたからこそスカウトに来たんだ。」 端から見れば真田さんの言葉は説得力が充分あった。そりゃそうだ。俺はまだまだ子供だ。もしかしたらもしかすることだってあるかもしれない。 可能性は0ではないと自分でも思った。
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