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でも俺には一つ疑問があった。俺はその疑問をためらいなく真田さんにぶつけた。
「本当にそれが理由ですか?少なくともそれだけが理由じゃないですよね?」
真田は困ったような顔でこちらを見ていた。
俺は続けた。
「俺が父さんの・・・藤堂雄斗の息子だからじゃないですか?俺が藤堂雄斗の血を引いているからじゃないですか?だからあなたは俺に目をつけた。違いますか?」
真田はまたも笑いながら口を開いた。
「その通りだ。私は君の父親と一緒に長年野球をしてきた。そりゃ大したもんだった。だからその息子である楓くんもおそらくまだ秘めた・・・・」
俺は真田さんの言葉を最後まで聞かず怒鳴った。
「やっぱりそうか!!やっぱりあなたも周りの大人と一緒だ!!俺を藤堂楓という目じゃなく、藤堂雄斗の息子として見る。勝手に期待しといて、期待が外れれば藤堂雄斗の息子なのにと勝手に失望するんだ!!
もううんざりなんだよそんなの!!
俺は庄栄学院には行かない。
俺は決めてたんだ。俺の実力をきちんと理解して、俺の力が欲しいと言ってくれる高校があればそこに行って本気で野球を続けようと。そんな高校がなかったら進学校に行って部活で野球を楽しもうと。
だからあなたのように藤堂雄斗の息子だからと勝手に期待するような人がいる高校には行きません。失礼します!!」
俺は自分の部屋に逃げるようにリビングをあとにした。
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