第3章 それぞれの決意

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俺は朝から憂鬱な気分だった。 昨日のことがまだ頭から離れていなかった。 朝起きてリビングに行くなり、父さんはすまんと一言言って会社に出かけるし、母さんは何を言うわけでもなく、ずっと笑顔。 たぶん父さんのすまんっていうのは昨日のことなんだろうけど、母さんの笑顔は怖いよな・・・なに考えてんのかよくわかんねぇし。 ただ、今日も暑い。 夏休み前だもんな。これからは勉強しないといけないし進路のことも結局きちんと話してないしなぁ。 まっなんとかなるっしょ!! 気がつけば校門の前にいた。 下駄箱について上履きをとりだそうとした時封筒が3通落ちてきた。 俗に言うラブレターというやつだ。 またかよと思いながら拾うものの、若干うれしかったりする。 そりゃ俺も男ですからね。 そうこうしてるとニヤニヤしながら近づいてくる輩がいた。 「楓!!おっはよー!!」 「朝からうるせぇな!ちったぁ静かにしろぃ」 周都だった。身長が高くてゴツい。身長は同じ位だが、体の線が違うのででかく見える。 ただでさえ暑いのによけいに暑苦しい。 「またラブレターかよー。モテモテですねぇ楓くん。俺の下駄箱にも・・・・・・ない・・・・・」 泣きそうな顔してこっちみんなよ・・・ 楓は心で呟いた。 階段を上がりながら周都と話をした。 「今どきラブレター貰ってもねぇどこの誰かもわかりゃしねぇ。」 「本気で探せばすぐわかるだろうが!!うちの学校全部で300人もいねぇんだから。」 周都が呆れたように俺に反論した。 「でもさぁ探したところでどうすんのよ。付き合う気もないしなぁ。もし探しだしたとしてよ、冗談で出しただけなのにーとか言われたらショックじゃん・・・」 俺は心にもないことを周都にぶちまけた。 「モテる男は大変ですなぁ。俺には関係ないけどよ。楓が羨ましいよぉー。彼女欲しいよぉー。」 廊下でんなこと叫ぶな!!こっちが恥ずかしいわ!! とは言わずに胸にしまった。
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