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第2章 分岐点
「うーん・・・」
神坂中学校のある教室で俺は悩んでいた。
「どしたん?浮かん顔して?」
「進路のことでちょっとな。そろそろどこの高校行くか決めんとやばいじゃろ・・・」
俺は人生でこの上ないくらい悩んでいた。進路について。そう・・・俺は野球部を引退して受験生になっていた。
そんな時教室のドアが開いた。
「藤堂!まだ進路決まらんのか?お前だけまだ進路希望が出てないが。」
俺は俯いて考えていた。
高校でも野球を続けるなら神坂第二、勉強頑張るなら御堂高校。結論を出せずにいた。
「いやぁー・・・まだ決まらんのっす。とりあえず2校までは絞ったんですけどね・・・」
「その2校っていうのは?」先生が俺に尋ねてきた。
「神坂第二と御堂っす。野球やるなら神坂第二、勉強頑張るなら御堂なんですけどね・・・」
俺の答えを聞いて、先生は開いた口が塞がらない感じだった。
「お前本気で言ってるのか?」
俺はきょとんとした顔で何の疑いもなくうなずいた。
「お前自分の成績分かってるのか?御堂は県内トップクラスの学力を誇る高校だぞ。お前の今の成績では難しい。そして神坂第二だが、決して偏差値も低くない。ほんとにギリギリだ。野球推薦もお前には来ていない。難しいぞ・・・」
俺は先生の話しを聞いて愕然とした。
そっか・・・俺バカなんだった。
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