第3章 それぞれの決意

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そして秋の新人戦。あの時は夏樹に救われたんだよな。 俺はその日調子が悪くて3回までに8失点してマウンドを降りた。 そのあと投げた夏樹が7回まで1失点の好投をみせて、周都達もよく打ってくれたけど1点差で負けた。 あの時も俺が敗因。 最初から夏樹先輩が投げてたら勝ってたかもねっていう後輩の言葉を聞いて俺は何も言い返せなかった。 でも普段は温和な夏樹がその言葉を聞いてキレたんだよな。 「お前ら今日負けたのは楓のせいだっていうのか!!今日お前ら何本ヒット打った??点入れたのはほとんど周都じゃねぇか!!チームの力になれなかったお前らが楓を批判できないだろうが!!楓はお前らが今日打てなかったことを責めたのか??違うだろうが。ずっとごめんってお前らにも頭下げてただろうが!!」 さすがに後輩達も泣きそうだったから俺がとめに入ったんだっけな。 結局いつも何かしら俺がへましてるんだよな。それでもあの2人は庇って必死に励まし、怒ってくれたんだ。 この2人に支えられて俺は野球を続けてこれた。 俺はこの2人に恩返しができたのだろうか? いやできていない。
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