第3章 それぞれの決意

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俺がボーッと昔のことを思い出していると、突然夏樹の声が耳に入った。 「楓??聞いてる??」 「へっ!?あっごめん考えごとしてて聞いてなかった・・・」 「だからさぁ3人で庄栄学院行って、甲子園目指そうって話しだよ。とりあえず楓はスカウト来てんだからなんとかなるだろ??夏樹は頭いいから余裕で、俺はスポーツ推薦で受ければなんとかなるんじゃないかと思ってさ。スカウトがいるくらいだから、野球に力入れてるわけだろ??それなら戦力的にも揃うだろうしさ。俺らが揃えば甲子園も夢じゃなくね??」 そんな周都の考えはなかなかだと思った。でも俺は・・・あの監督が気にいらないんだ・・・ 「それと忘れちゃいけねぇことが1つある!!」 周都が口を開いた? 「なんだよ??」 「なんなの??」 俺と夏樹は同時に声を揃えて尋ねた。 「庄栄は新設校だ!!つまり1年生である俺らがいきなり上級生っていうか1番上なわけだろ??」 「確かにそうだな!!だから何??」 俺は訳がわからなかった。周都は続ける。 「つまりだな入学したその年からレギュラーになれるチャンスがあるってことだ。2年も3年もいねぇんだから1年の中で上手ければいきなりレギュラー間違いなし!!そして俺は天才だからいきなり4番で間違いなし!!どうだ??美味しくね??」 最後に自分が天才だと言いやがるのは置いといて、確かにそうだな。入ってすぐにチャンスがあるわけだ。やっぱり試合に出れた方が楽しいし。 周都にしてはいい考えだなと言おうとしたけど心に留めた。調子にのったらうざいから。
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