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「学力は今からでも勉強すればどうにかなる。御堂レベルとなればそれこそ死ぬ気で勉強せんといかんがな。神坂第二なら努力すればなんとかなるかもしれんがな。
ただお前の考えを否定するわけにもいかない。先生はお前を精一杯サポートしてやる。
一度ご両親とよく話し合いなさい。」
今時よくできた先生だと俺は思った。
そして俺は帰路についた。
「ただいま。」
あれ・・・?
いつもは母のおかえりと言う声がリビングから聞こえてくるはずなのに・・・
そして靴を脱いでいるといつもと違う違和感に襲われた。
足下をみるとそこには綺麗に磨かれた黒い革靴と、ヒールの高い靴が丁寧に並べられていた。
誰か客かな?と思いながら自分の部屋に上がろうと思い階段に足をかけると、父に肩を掴まれた。
「楓(かえで)服を着替えてリビングに来なさい。話がある。」
いつもの父と雰囲気が違った。いつもは茶目っ気のある口調の父だが今日は低く真剣な口調だった。
俺はわかったと一言告げて自分の部屋に向かった。
何か大事なことだ。一瞬で感じた。進路のことか?
あの靴まさか学校の先生?でも俺一人の進路のために先生が二人来るとも思えないしな。
色々な考えが頭のなかにぐるぐる渦巻きながらとりあえずリビングに行こうと足を向けた。
自分の人生を大きく左右することがあろうとは思いもせず、ゆっくりとリビングのドアを開いた。
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