第3章 それぞれの決意

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「そんなに落ち込んでる暇はないわよ。 庄栄に行くにしろ、他の学校に行くにしろ、勉強はしないといけないのよ。 頑張ってみなさい。あなたはまだ努力もしていないでしょ?? そんなやる前から諦めてどうするの??」 いつもは穏やかな母がきつい口調で言うものだから、俺も父もびっくりした。 話が終わると母はまたいつもの笑顔で頑張りなさい、そう一言俺に言った。 俺は朝食を食べ終え風呂に入った。 まさか試験があるなんて・・・ てっきり推薦で行けると思ってたからなぁ・・・ 受験かぁ・・・ とりあえず夏樹に相談だな。 そんなことを風呂の中で俺が考えていた時、父と母はリビングで食後のコーヒーを飲んでいた。 「京子、楓は野球推薦で庄栄に行くんじゃなかったっけ?? 試験はパスできるんじゃなかったっけ??」 父の問いかけに母は笑顔で頷いた。 「本当はね。でもやっぱり野球だけじゃぁダメでしょ。あの子の事を考えても、受験シーズンくらいは勉強させるべきよ。 あの子はやればできる子なの。 勉強だってやれば出来るはずなの。」 母は真剣な目でそう言った。 「それに楓の周りの友達はみんな受験勉強に打ち込んでいるんだから、そんな中に進路が決まった楓がいれば絶対空気を悪くするわ。 あの子あなたに似て空気読めないところがあるから。」 父は納得した様子で口を開いた。 「確かにそうかもしれないな。最後の俺に似てっていうのは余計だけど・・・」 さらに母は続ける。 「でも入学が決まるまで野球の練習をしないっていうのもどうかと思うのよね。 さすがにブランクが長すぎたら高校に入って練習についていけないと思うから。 だから朝の走り込みもやらせます。」 この人鬼だ・・・ 人の皮かぶった鬼だ・・・
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