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話す真田さんは終始笑顔で、父も母も笑顔だった。
しかしその笑顔は俺の一言で豹変した。
「それだけですか?」
真田さんはポカーンと口を開けたままこちらを見ていた。父も母も同じように俺を見ていた。
「俺はたかが地区大会ベスト32のピッチャーですよ。たいして球も速くなければ特別な変化球が投げれるわけでもない。普通のどこにでもいるようなピッチャーです。そんな俺をスカウトって可笑しな話しですよ。もっと優勝したチームの選手とか注目されてた選手がいたはずです。」
俺の話しを聞きながら真田は終始険しい顔をしていた。そして口を開く。
「確かに世間の評価はそうかもしれない。だが私は違う。君は隣にいる藤堂雄斗の息子だ。元神坂第二のエースの息子だ。楓くんもそんな雄斗の血をひいた息子だ。秘めた力があるはずだ。」
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