第2章 分岐点

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こいつも一緒か・・・ その場にいた楓以外の人達は笑顔。しかし楓だけは違った。楓には怒りにも似た何かが沸き上がってきた。 中学校3年間言われてきたこと。 こいつは藤堂雄斗の息子。周りの大人はそんな目でいつも俺を見る。 少なくとも父を知っている大人はみんなそう。 俺を藤堂楓とは見ず、藤堂雄斗の息子として見る。そして勝手に期待し、勝手に失望する。 一部のチームメートもそうだった。 この町は狭い。父はこの町では有名人だ。父と同級生の息子が俺と同級生であっても何ら不思議はない。 そして勝手に期待し失望する。 2年前の春もそうだった。
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