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ランニングが終わるとキャッチャーボール、トスバッティングを行い、シートノックに入った。
俺は走り込みをすることにした。
グラウンドを走りながらノックの様子を伺うと夏樹と葵の二遊間、そして泰介と周都を加えたセンターラインは様になっていた。
監督もノックをしながらなかなかの手応えを感じたようである。
グラウンドを10周ほど走ったあとベンチに戻ると柊さんがいた。
「藤堂くんお疲れさま。しっかり水分とってね。」
そう言ってスポーツドリンクを渡された。
「よかったわ、藤堂くんは走るのが嫌いじゃなくて。」
「走り込みは投手の基本だと幼いころから父に言われてましたから。中学から投げるよりも走る方が多かったですね。」
柊さんは嬉しそうに俺の話を聞いていた。
「そうね。走り込みでスタミナをつけ、体を作ることから始めないと。実は藤堂くんの練習は私が見るよう監督に言われてるの。」
「柊さんが!?そうなんですか。よろしくお願いします。」
「とりあえずメニューを組んでおいたからそれに従ってちょうだい。体力作りが主なメニューだけど腐らず頑張って。」
「はい!!わかりました。」
そして柊さんは行ってしまった。
メニューを見て俺は絶句した。
「え・・・嘘だろ・・・こんな量毎日やるの??
し・・・死ぬ・・・」
柊さんは鬼だと俺は認識した。
ただこの練習メニュー、実は楓にとって最適なものだった。メニューも項目が多いだけで、回数は少なく、やってみると意外とやれるものだった。
そして楓はこの練習メニューを1ヶ月やり通した。
そして怪童の影を少しず見せていったのだ。
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