第6章 怪童の影

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1ヶ月ほど経ったある日の放課後、練習後に監督がみんなを集め話し出した。 「みんな今日もお疲れさま。GWなんだが、3泊4日で合宿を行う。御堂高校に合同合宿のお誘いを受けた。御堂高校の監督は直木のお父さんらしいな。そこでこの合宿、受けることにした。御堂高校は1、2年だけの野球部で、部員も20人弱ほどだ。うちと同じぐらいの規模だから練習もやり易いだろう。 みんなこの合宿を通して一皮剥けるぞ!!」 「おぉ!!!!」 「よしよし、みんなやる気だな。それでは今日はこれで解散。気をつけて帰れ。」 「楓!!御堂って唐川さんがいるじゃん。確か野球部のマネージャーなんだろ??」直木が嬉しそうに話す。 「あっそうだった。ってことは一緒に練習するんだな。ところで御堂って強いのかな??」 「御堂は野球部ができて2年目だよ。だから1、2年しかいないんだ。去年の夏は2回戦で負けたけど、秋の大会はベスト16だよ。」 これは夏樹だ。 相変わらず詳しい。 「唐川さんがいるのかぁ!!よかったじゃん楓。久々に会えるじゃん!!」 これは周都。 「よかったじゃんって学校違うからなぁ。それに唐川さんもマネージャーだから仕事もあるだろうし。」 周都はぽかんと口を開けている。 「唐川さんって他人行儀だな。下の名前で呼んでやれよ。全く恋人感ないんだから楓は。」 周都が微笑みながら言った。 「へっ!?恋人感って俺は唐川さんと付き合ってないぞ!!何言ってんだよ。」 「あれ!?そうなの付き合ってるのかと思ってた。」 今度は夏樹だ。 「付き合ってないよ。なんでそんなことになってるんだよ??」 「だって愛しの円香が言ってたぞ。梨華と楓くん今いい感じだって。庄栄でも楓は御堂の子と付き合ってるって噂流れてるし。まぁ俺が流したんだけどさ。」 俺はかなり驚いた。
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