第6章 怪童の影

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キャッチボールを始めるといきなり柊マネージャーからダメ出しを食らった。 「楓くん!!キャッチボールからしっかりフォームを意識しなさい!!」 「はいすいません!!」 斜め45度にしっかり腕を伸ばす。 そう・・・楓は本来オーバースローなのだが、5月に入ってスリークォーターにした。 その理由として腕が長く、リストが強い為だ。 サイドスローも試したがスリークォーターの方がしっくりくるのでそうした。 スリークォーターにすることで今までに培ったコントロールは少し落ちたが、球威と球の速さ、スライダーのキレが増した。 30球ほどキャッチボールを行い今度は少し力を入れて投げた。 シュッ・・・バシーン!! おっ!?何か球が速くなった気が。まだそこまで力入れてないんだけど。 楓は自分の力があがっていることをしっかり実感した。 柊マネージャーも当然だと言うように笑みを浮かべている。 一番驚いたのは周都だった。 「明らかに球が速くなってる。球威もキレも。しかも腕が長いから球持ちが長いんだろうな。なんか不思議な感じだ。」 楓はそのあとも何球か投げて感触を確かめ、周都を座らせた。 早く全力で投げたい。楓はその気持ちで一杯だった。
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