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キャッチボールを始めるといきなり柊マネージャーからダメ出しを食らった。
「楓くん!!キャッチボールからしっかりフォームを意識しなさい!!」
「はいすいません!!」
斜め45度にしっかり腕を伸ばす。
そう・・・楓は本来オーバースローなのだが、5月に入ってスリークォーターにした。
その理由として腕が長く、リストが強い為だ。
サイドスローも試したがスリークォーターの方がしっくりくるのでそうした。
スリークォーターにすることで今までに培ったコントロールは少し落ちたが、球威と球の速さ、スライダーのキレが増した。
30球ほどキャッチボールを行い今度は少し力を入れて投げた。
シュッ・・・バシーン!!
おっ!?何か球が速くなった気が。まだそこまで力入れてないんだけど。
楓は自分の力があがっていることをしっかり実感した。
柊マネージャーも当然だと言うように笑みを浮かべている。
一番驚いたのは周都だった。
「明らかに球が速くなってる。球威もキレも。しかも腕が長いから球持ちが長いんだろうな。なんか不思議な感じだ。」
楓はそのあとも何球か投げて感触を確かめ、周都を座らせた。
早く全力で投げたい。楓はその気持ちで一杯だった。
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