101人が本棚に入れています
本棚に追加
「もっと投げたい、全力で投げたいって顔になって来たわね。その調子よ楓くん。」
柊は微笑みながらその光景を見ていた。
楓のフォームの改造を言い出したのは実は柊だった。楓も父の話を聞いていたから柊を信用した。
その結果がこれだ。確実に桁違いに良くなっている。
「やっぱり楓くんは力を秘めてる。潜在能力は雄斗さんの比じゃないわ。飲み込みが早く、練習も真面目。普通なら嫌なはずの地味な基礎トレーニングもなんなくこなす。ほんとに怪童になるわこの子。」
そんなことを考えている柊はミットの音で我に返った。
「いってぇー・・・」
周都が声を漏らす。
御堂の選手、監督、梨華、は目を開いて楓を見ている。
「ナイスボール!!」
周都は嬉しそうにボールを楓に返す。
柊には何が起きたのか分からなかった。そしてその答えを楓が見せつける。
最初のコメントを投稿しよう!