101人が本棚に入れています
本棚に追加
ゆっくりと大きく振りかぶり一瞬止まると、そこから加速して斜めに伸ばした長い腕を斜め下に振り落とす。
シュッ・・・ズバーン!!!
見事にコントロールされた球が大きな音をあげてミットに収まる。
「まさかここまで化けるなんで。」
柊は呟いた。
「楓くん!!まだ全力はダメよ、少しずつ力を入れていって。」
「へっ!?まだ全然軽く投げてますよ。肩慣らし程度ですけど・・・」
あれで肩慣らし程度!?まさかこの子1ヶ月弱でここまで化けたの!?
柊が驚くのも無理はない。
本人曰く肩慣らし程度の速球が135㎞は出ている。
まだ硬球を握って1ヶ月弱の高校1年生がだ。
「すごい・・・。」
柊は呆然と立ち尽くしていた。
「監督、庄栄のあのピッチャー1年ですよね??俺よりも球速いっすよね??しかもまだ肩慣らしって・・・」
御堂のピッチャーが呟く。
「藤堂楓・・・やはり雄斗の息子だけのことはある。本物だ。末恐ろしい。」
御堂の監督ある、直木のお父さんも呟く。
「藤堂くん・・・すごい!!」
梨華も顔を真っ赤にして楓を見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!