第6章 怪童の影

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「スターティングメンバーは以上だ。ベンチスタートの2人は何らかのアクシデントがない限り6回から出す!!しっきり準備しておくように。」 「はい!!」 「よし行こう!!」 夏樹の掛け声で選手達は整列した。 「プレイボール!!」 一番の夏樹が左打席に入る。 『まずは相手ピッチャーの見極めからだね。』 御堂高校のピッチャー桧山は右投げのサイドスローである。 「夏と春の大会ではMAX138㎞、カーブ、シュート、シンカーを投げた記録があります。」 柊マネージャーが読み上げた。 しっかり調べてるなぁと楓達は思った。 『光司まずはボールから入るぞ。シュートを外角に外せ。』 キャッチャーの田辺がサインを出す。 『了解』 セットポジションから1球目を投げる。 シュッ・・・ 『外角・・・ギリギリ入ってるかな。』 夏樹がバットを振りだす。 『シュート!?』 ズバン・・・ストライク!! 『振ってきたか、なかなか振りはいいな。次は内角にカーブ、これも外して。』 2球目を投げる。 シュッ・・・ 『今度は内角か、ちょっと遅いけどカーブかな。』 ズバン・・・ボール 「ナイスボール!!」 『今度は見てきたか。選球眼もいいみたいだね。』 3球目を投げる。 シュッ・・・ 『今度は外角か・・・』 ズバン・・・ボール!! 『シンカーか、コントロールはいい。そろそろ打って行こうか。変化球が続いたからストレート狙いだな。』 『揺さぶりは球数の無駄だな。ストレートで一球カウントを取ろう。1球目のシュートと同じところにストレートだ。』 『了解』 シュッ・・・ カキーン!! 夏樹は外角のストレートを巧く流しレフト前に落ちた。 「よっしゃぁ!!」 夏樹が一塁でガッツポーズをとった。 「ナイスバッチ」 一塁コーチャーの結城が夏樹を称える。 「よっしゃー弘人続けー!!」周斗がベンチから盛り上げる。 弘人はベンチからのサインを確認し左ボックスに向かう。
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