第6章 怪童の影

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周都は中に入ったスライダーを見逃さずフルスイング。打球はあっという間にフェンスを越えていった。 「イエースッ!!」 周都は右腕を高く上げダイヤモンドをゆっくり1周した。 『マジかよ・・・多少の失投も見逃さないってか・・・』 「光司大丈夫か!?」 「あぁ・・・ちょっと中に入っちまった。失投じゃ打たれてもしかたない。次から締めていくよ。」 どうやらまだ崩れてはないみたいだ。 その後桧山は5番の泰介にヒットを許したものの、6、7、8番を打ち取りなんとか凌いだ。 しかし庄栄高校4点先制である。 「みんなごめん4点もとられちゃって。」 桧山は申し訳なさそうにしている。 「気にすんなよ。後ろから見てたけど失投は4番に投げた1球だけだろ。他の球はよかったんだ。それを打たれちゃ相手を誉めるしかない。」 ショートを守る中橋が言った。 「さぁ攻撃だ。取られたぶん取り返してこい。」 御堂高校監督の田沢が言った。 『しかしブルペンで見たあの楓くんの球・・・初回かとらえるのは難しいだろう。』 そして御堂高校の攻撃が始まった。
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