俺の仕事の邪魔すんな

38/39
8838人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「でも、李白瞑を置いておくより、 さっさと退学にした方が、疾風にしたら楽だろ?  その正当な理由もあるんだし。 いつもの疾風なら、すぐにそうしたはず」 「だから? 今回のは俺の判断ミスが招いた結果だと? そんなの俺もわかってますよ」 信一は、 ソファーに寝転んで、何でもないような口ぶりで、 「いや、 そうじゃなくて、 おまえは、わざと李白瞑に対して甘い対応になった。 なんでかは知らないけど、ちょっとでも誰かと被って   迷ったんだ」 手に持っている、李白瞑の資料を見ていた疾風は、 信一に目をうつした。 信一はソファーに寝転がっているので、顔は見えない。 「おまえが李白瞑に感じた迷いは、 さっき俺が言ったどうしようもないもの。 理事長達とは、まぁ種類は違うが思いやりの感情って奴。 おまえは左右されるのが理解出来ないとか言ってたけど、 きっちり左右されてる。 そんなおまえが、異端だとも思わない」
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!