眉間にしわ

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うん、彼等が驚くのは無理ないよ。 親衛隊の暗黙の了解で、俺がこういうのを嫌う事は知っているだろうし、 逆らうとひどいめにあうとかいう噂まである。 日下部は、親衛隊達が何故俺の方を見て驚いているのか、 わからないようで、俺をジロジロみている。 見てんじゃねーよ。 「君達の隊長からの指示?」 「え……いや、は…い」 薄く笑う疾風に、親衛隊達は顔を赤くさせて目をそらす。 「し、失礼しました!」 そしてバタバタと出て行ったので、 再びパソコンをいじりだした俺を、日下部は訳がわからないという顔をしている。 「隊長って、おまえが隊長なんだろ?」 「生徒会、一人一人、親衛隊がついてて隊長も違いますから、 俺は会長の親衛隊隊長。」 「なんだ。やっぱ気のせいか。一瞬、あんたが俺の事たすけたのかと思ったぜ」 助けたけどね、 親衛隊隊長だからって助けないと思ったのか。浅はかだね。 こいつが生徒会にちかづかないでくれた方が楽だ。 でも俺が直接どう言っても、 ただの嫉妬だと解釈されて、警戒されるだけだから言わない。 だから、 もう周りを納得させるしかないと思うんだ。 「あのさ、その変装止めてくれないかな。 黒いカツラにカラコンに目も悪くないのに 眼鏡とかしてるからややこしいんですよ」 何かびっくりした顔されてますけど、 グルグル考えてるマヌケ面で萌えてくれるのはバ会長だけだから。 「元総長だから女顔で 襲われたとしても、自分で何とか出来るだろ?」 「な…何で知って……」 「俺は人の弱み握るの得意なの。 理事長が心配して変装でもさせたんだろうけど…」 逆に危ない 「そうやって今まで人を脅してきたのか」 「そうだよ」 許せない! と言う顔で俺を睨みつける。 「言いふらしたきゃ言いふらせよ、 脅しなんか俺には通用しねーから」 「誰が君を脅してる訳? 変装とけば親衛隊が大人しくなるから といてって言ってるの。それとも、何? 君イジメられるの趣味?」 困惑気味に、日下部は俺を見ている。 今敬語を使いたくなくなったので、敬語を止めて丁寧に話す、 「あのね、説明しなきゃわかんないみたいだから言うけど、 そんなダサくて、釣り合ってもいないのに、何の努力もしないで、好きな人と仲良くしてるように見えるから皆納得してない訳。なら釣り合えば黙るの。」
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