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用件を終えて、外に出ると、俺はオフモードに切り替える。
俺もさ~、普通に高校生な訳よ。
もうなんか気晴らししたいし、本音ぶちまけたいし、
善人ぶる気も悪人ぶる気もないけど、
濡れ衣や先入観で嫌われるのは気分悪いしへこむわけよ。
面倒だから放置してるけど。
生徒会も仕事してない訳じゃないけど学生だからね、
能力に限界ある訳だ。まぁ、学生にしては良くやってるよ。普通の高校と違って、
金持ちのあの学校は、後継ぎとしての仕事をこなしてる奴もいるしね、生徒会の奴らとか。
だから
遊びたい時に遊べないだろう。
そんでもあいつらに自由があるのは、親衛隊も仕事を負担しているからだ。
それにきづかないで、悪い所だけみて敬遠する。所詮学生という所だろう。
街中の本屋でジャンプを立ち読みしてから、鼻歌を歌いながら歩きだした。
俺、町俳諧するの好きなんだよな~。
「あ、」
素っ頓狂な声が聞こえて、横を見ると、そこには書記の山城イツキがいた。
彼は、別に親衛隊全体が悪いとは思っていないようだ。
まぁ、生徒会の中で俺は奴が嫌いじゃない。外見で人を判断しないし、
個人の人間性を見ようとする。
だから、噂を多少信じていても、迂闊に決めつけて、敬遠しない。
話した事はないけど、それとなく普段の態度を見ていたらわかる。堅物のようでボケているけど、真面目。
まぁ、今の所、嫌いじゃないという事だ。
「こんにちわ」
「風見はサボりか。」
「ええ、サボりですよ」
和やかな空気がながれて、それだけ言うと、歩き出した俺に、
「待ってくれ」
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