眉間にしわ

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首を傾げて振り返った俺を、探るようにじっと見ている。 得に目をね。 不思議と不快じゃない視線だ。 好意でも悪意でもなく、相手がどういう人間か慎重に見極めようとしている。 無言の沈黙がただよい、多分この人、俺を引き止めたのに理由はあるけど、 信用出来る奴かわからないから迷っていると言う感じだ。 とにかく、話題をこちらからふる事にした。 「山城さんが、サボりとは意外でした。」 「あぁ、サボりたくてサボっている訳じゃない。 生徒会の仕事で明日までにやらなきゃいけないやつと、 家の仕事もあるから、落ち着ける所でやろうと思ってな。」 生徒会室でやらないあたり、何か生徒会室に行けない理由がありそうだ。 ていうか、生徒会室だと集中出来ないという事か。 集中したいという事は、つまり仕事がたまっているという事か。 何故だ? 最近のプロファイルだと、ちゃんとこなせていたはずだし… 「生徒会室では集中出来ないんですか、何故です?」 言おうか迷っている感じだ。きっと一人じゃ追いつかないから、 誰かに仕事を手伝って欲しい。 だけど、優秀な人材がいない。 そこに調度、噂で、頭脳明晰でやり手と言われている俺がいて、 使える奴かはわからないけど、ある程度使えそうだから手伝って欲しい。 しかし、他の噂では、 人の弱みを握って脅す氷のプリンス。 しかも淫乱で、制裁としょうして好き勝手していると悪名だかい、親衛隊隊長。 噂ばかりを信用したくはないけれど、 自分は相手の人格はしらない。 だけど手伝って貰わないと、かなりやばいみたいだ。 そして、親衛隊の俺に生徒会室で作業出来ない訳と、 仕事がたまった訳を言えないところを見ると、その理由は… 「転校生君に皆が構いだして、仕事が疎かになり、 生徒会室に転校生君が来ていて、騒がしい状態な訳か。」 ため息をつく俺に、 山城はどういうべきか考えているようだ。 きっと、俺が馬鹿な隊長であれば、引き離せと自分が言ったと勘違いして、 日下部に制裁を加えるかもしれないから。 「…確かに親衛隊の一部で制裁とかするやからはいるでしょうが、 別に俺はするつもりありませんから。これを信じられなきゃ仕方ないですけど、 とにかく仕事を手伝って欲しいのなら手伝いますから、 行きつけの喫茶店にでも行きましょうか。」
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