近寄んな!

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食堂につくと、信一はキラキラした目をして俺を見ていた。 「何あれ、おまえ盛り上がりの為の悪役してくれる訳? いや、しかしムカつくんだけど、悲しい腐男子の性だから許してくれ、 今すっごい学園が充実してる! でも何か、おまえと転校生ってフラグもたってる?」 「たってねーよ、 黙ろうか、腐れ野郎」 から揚げを食べながら信一に張り付け笑顔を向ける。 全く、少々何処かかなり面倒な事になってきた。 てか日下部って、自分が必ず好かれる自信あるよあいつ、絶対。 あれだ、生徒会皆そうっぽいから類は友を呼ぶって奴か。 すると、斜め前から、風紀代表の中村の声がしてきた。 「何か大変そうだけど、大丈夫かい?」 まともな奴を前にしてうっかり涙腺緩みそうだ。 「中村さんが食堂とは珍しいですね。 気配を消すのも上手いとは。」 周りの生徒は中村にきづいていない。 風紀に親衛隊はつくってはいけないから、 ないが、 中村はかなりの美形だから、気配をだせば目立つだろう。 本当、くせ者だ。けれど悪い人ではない。 信一は、 風紀と俺に接点があると思っていなかったから、 びっくりしていたようだが、それは口にせず、 「そういえば中村っていつも何処で食事してんの?」 同級生には皆タメ口な信一には、 風紀だろうが生徒会だろうが関係ないようだ。 「それは、秘密だよ」 中村はどんなささいな事でもむやみに自分の手の内はあかさない。 調べればわかるとは思うが、俺は何かこいつを敵にまわすつもりはないし、 弱みを握っても無駄な気がするから、中村の事は一切知らない。 それなりに会話しながら食事をしていると、生徒会が来たからか、周りがざわつき初めた。
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