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「まぁさ、まだ助かったよな、
王道転校生が宇宙人パターンで、『疾風は俺の友達だろ』じゃなくて、
『仲良くなりたいんだ』ってそれなりに普通の感覚で」
信一の微妙な励ましに、全然励まされない俺は、
ため息をついた。
「つかおまえ、少しは腐男子なのかくせよ。皆おまえの言ってる事理解してないからスルーだけど、どんびきもんだぞ」
「何言ってんだ、腐男子なのを隠したら俺にも受けフラグたっちゃうだろ!
俺は傍観する者としての使命を真っ当しているんだ!」
「それはおまえが親衛隊隊長ならって話しだろ」
信一は、感動したように俺を見つめてきた。
「わかってんじゃん!
何、おまえ腐の素晴らしさにきづいて!?
隠れ腐男子、親衛隊長きたぁぁー!」
「なわけねーだろ! いつもテメーの腐れトーク耳に入って来るから学びたくもねーのに学んじまったんだよ! 」
ポカンとしている信一に、はっとして顔を背けた。
気を許し過ぎたのもあるけど、
俺は演技をはじめてからそれをといた事はない。
信一も、俺の素を知らないのだ。
あまりに予想外で、順調にいってた計画が狂い過ぎてきたので、
言葉に気が回らなかった。「疾風、」
「何だよ」
「頑張れよ」
それだけ言うと、何もなかったように信一は窓の外を見て、流してくれた。
こいつのこういう所は何気助かる。
「ぐひひっ」
何を考えているのか、信一から腐の笑いが聞こえるのはあえてふれないでおこう。
ろくでもない妄想しているに違いないのだから。
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