近寄んな!

8/23
前へ
/194ページ
次へ
教室で授業中に、堂々とBL本を読んでいる信一はおいといて、 俺は寝たいから屋上に向かう事にした。 なるようにしかならないので、色々考えても仕方ないからだ。 屋上は俺の癒しの空間なのだ。学校内でサボるには、うってつけのポイント。 たそがれながら、 屋上から見下ろす景色は、何か心地いい。 あぁ、爽快。 ―キィ 誰か入って来たが、ふりかえらない。 別に屋上でくつろぎたいのは俺一人ではないだろうから、他人がいても良いんだ。 「風見」 その声に、俺はやっと振り返る。 そこには、山城イツキが俺の横に立ち、同じように景色を見始めたからだ。 「山城さん、仕事ですか?」 「あぁ、頼みにきた。」 表情からさっするに、皆仕事をしていないようだ。 「生徒会室のファイルは持ち出しが出来ないから、生徒会室で作業をせねばならんのだが…」 やかましいし、進まないという事だろう。 「それは俺も生徒会室に入っても良いという事ですか? そんな事許可して、山城さんが、他の皆様に何と言われるか…」 「今日は、転校生と町へ出かけるそうだ。 仕事が三週間分たまっているから、俺は誘われても断ったが、 何か日下部が族の元総長だったとかで、問題が発生したらしい。」 成る程ねぇ、 仲間思いなようだけど、仕事ためたのは、遊んでたからだし、 同情の予知はないな。 山城は自分のぶんはこなしてるんだろうけどね。 族かぁ、また面倒な問題学園に持ち込んでくれたもんだ。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8864人が本棚に入れています
本棚に追加