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「山城さんは、行かないのは何故?」
「俺は日下部が気に入っている訳ではない。
あちらは、親しげにしてくるが、むしろ仕事の邪魔だからな。」
多分誰にも話さなかった本音だろう。
本音言ったらバ会長になんか言われそうだしな。
わざわざ悪者になりたい人間はいないだろう。
「ふぅん、
山城さんは、何で俺にそんな話しを?
しかも俺が生徒会室で誰かの物盗んだりとかする可能性も考えてますよね。
親衛隊隊長だし」
彼は、あまり表情をうごかさない。
だから、クールだとか、渋いとか言われている。
だけど、何となく、俺といてくつろいでる感がある。
生徒会での俺の評判は頗る悪いだろうに、
煙りのないところになんとやらと言うように、あんなに悪い噂ばかりなら、
本当の事もあると思っているはずなのに、普通に話す。
なんでだ?
「おまえの仕事ぶりは、信用できるし、話していて、
気に障らない。
何と無くだが、信用したいと思ってるんだ。」
そうか、やはり山城は関わって人を判断するんだ。
噂すべても蔑ろにするほど馬鹿でもなく、噂は噂で心に止めておいて、
警戒はするけれど、
噂を鵜呑みにしきって関わらない内から拒否した態度はとらない。それでいて、人間の適性をちゃんと知ろうとする。
つまり、仮に性格最悪でも、仕事ができる奴はその面では認めるんだろう。
それで、今、仕事の面で俺を認めていて、
性格はどうなのか知ろうとしている。
大財閥の御曹子として合格だとおもう。
こいつを跡取りにできる財閥はアタリだな。
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