近寄んな!

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ラブシーンに目もくれず、取り合えずカタカタとパソコンを操作していると、 神山会長は生徒会以外に誰かいるのにきづいて、こちらに歩いて来た。 「おまえ、」 俺を見つけて、目がけわしくなる。 「山城、なんでこいつが此処にいる!」 何事かと言うように、生徒会の面々と、日下部が会長のそばにまでくると、 日下部は目を輝かせて俺のそばまでかけよってきた。 「疾風! 何してるんだ?」 「……」 返事をしない俺に、いらついたように神山会長が日下部を引き離す。 「何を企んでる、 生徒会に取り入る気か?」 多分此処にいる生徒会の奴らは、 親衛隊は「俺は会長の為に…」とこびる目線を向けることを想像しているだろう。 しかしながら、媚びをうるというのは、例え俺が会長が好きでも嫌だけどな。 てかまず、取り入るつもりだから拒絶するという対応は良くないな。 「神山会長は、 トップに立つ自覚はないんですか?」 まさか意見するような答がかえってくるとは思っていなかったのか、 すぐに返答がこず、 疾風は続けた。 「トップにたつ者は必然的に媚びをうられる。その中で必要な人材もいるのは確かで、 人間性を認めずとも、上手く扱い、支配するのもトップの力量。 いくら自分に能力があろうが、組織は適材適所を与えてこそなりたつ訳だから、これは基本ですよね」 どうやら、話しはつうじるようで、皆押し黙る。 認めたくはないだろうが、正論だし、もっともな意見なのだ。 神山会長は山城を睨んだ。 「山城、他の生徒会メンバーに何も言わず、勝手に部外者を入れてどういうつもりだ」 「……すまない、」
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