序章

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長い針と短い針がてっぺんで重なり合う。 「はぁ~遂に来てしまったか」 私はめでたくおじさんの仲間入りとなった。 「30歳かぁ」 この歳になれば誕生日など自分を見つめ返す時間でしかならない。喜んでいいのは二十歳まで、後は下り坂まっ逆さまなのである。 そんな雰囲気にひたっていると、突然、ぶ~んぶ~んと携帯の音がなる。 届いたメールを見てみると、内容は『おめでとう』といった祝電よりも『これで君も仲間だね』『今度のクラス会はちゃんと来いよ』といったどうでもいい内容のほうが多い。 そんな中、今、私にとって一番重要なのが混ざっていた。
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