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幽霊なので基本的にすり抜けるのだ。
実際、東京から広島まで高速を使っても朝10時に間に合う訳がない。
しかし、その男はその不安をいっさいがっさい見せなかった。
「へい、旦那!おひさしぶっりっス」
と、夏彦に馴れ馴れしく話しかけているのは首無しライダーの陣である。
「お前相変わらず首無いな」
夏彦はそんな当たり前の言葉で返す。
「だって首無しじゃないとバイク乗れないでしょ。足や腕は要りますからね。だから自分、首から上無くしたっス」
「無くしたじゃなくて、無くなったんだろ」
と、奇妙なやり取りをしながらも並列で進む。
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