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「裕兄はなんで氷谷校にしたの?学力で考えればもっと上に行けたのに…。」
辺り一面が畑ばかりで一本道しかない道を進むとき、ふと疑問に思ったことを尋ねた。
「そりゃあ、好きな人と同じ高校に行きたかったからな。同じクラスにはなれなかったけどよ。」
少し照れくさそうに話す。
裕兄に好きな人がいたのには驚きだし、こんなにウブな一面を見るのは初めてだ。
「広輝だって好きな人ぐらいいるんだろ?」
俺まで道連れにする気だ。
雪はPSPをやりながらもこちらに耳を傾ける。
あいつは女友達がかなり多いから、ここで暴露することは告白をしているようなもの。
さすがにそれだけは勘弁してほしい。
「い、いなっ……いないことはないかもしれない……。」
ううっ、絶対顔真っ赤だよ。
「ちょっと、みんなニヤニヤしすぎだって!!」
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