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今日は、モードの80歳の誕生日。
ハロルドはモードを喜ばせるために、張り切ってパーティーの準備をしていた。
誕生日パーティー会場は、モードの家の応接室。
準備が出来たハロルドは、別室で待っている彼女を呼びに言った。
応接室に一歩足を踏み入れた彼女の目に飛び込んできたのは、
部屋のあらゆるところに、所狭しとばかりに飾られた数多の花々。
部屋の中心には、
「ハッピーバースデー!モード」
の垂れ幕。
そしてテーブルの上には、
ケーキとプレゼント。
モードの瞳は、驚きと喜びに満ち溢れていた。
そして彼に言った
「有難う!
最高のお別れパーティーだわ!
人生の最後にこんな素敵な贈り物があるなんて…、
思ってもいなかったわ」
「えっ?お別れパーティーって?どういう意味?
僕達は、ずーっと一緒だよ」
「さっき、薬を飲んだの…。
あと数時間で私は死ぬわ…。」
「うわぁぁあ~!!!」
ハロルドは、彼女を抱きしめたまま叫んだ。
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