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…でも、やっぱり自分も幸せになりたかったな。
もちろん、誰かの不幸の上にある幸せなんて僕は欲しくない。そんなことをするくらいなら僕は喜んで不幸を選ぶだろう。
…選ぶだろう、けど。でも…
僕は幸せになりたかった。
義父さんに家族として愛されたのは幸せだった。
それでも、僕は足りなかった。それほどにも彼に対する気持ちは強かったのだろう。
「…そうだ…遺書…書かなきゃ…。義父さんに…僕の…気持ちは…優真に…伝えてはいけ…ないって…」
僕は動かない体を引きずり、ペンと紙を取り出し、遺書を書く。拇印を押し、満足した途端、僕の心臓は止まる。
ーさよなら。
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