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「うう~。――笑わない?」
「笑わないって」
「じゃ、じゃあ言うけど……。昨日の夜ね、和也先輩がすっごく綺麗な女の人とラブラブなクリスマスを過ごしてる――夢を見たの。あっ、ちょ!今笑いかけたでしょっ」
緩みかけた口元を、急いで右手で隠した。沙耶香は、親しい友人の昨晩の姿が容易く目に浮かび、にやけるのを止められない。
しかし、その笑いは、特に馬鹿にするでもなく面白がるわけでもなく、単に可愛いものや愛くるしいものを見たときのものだ。
それが伝わっているからこそ、千穂は沙耶香をさほど責めない。
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