真夜中に

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「このクソガキがっ!!」 ドンっと大きな音を立てて藍(あい)は壁に叩きつけられた。 着ているセーラー服のスカートが捲れた。 肩をぶつけたのか、藍は肩を庇いながら立ちあがる。 「なんで人の話きかねぇんだよ!」 藍が負けずに大声で叫んだ声が、深夜ボロい二階建てのアパートに響き渡る。 バチィン 涙を浮かべる藍の顔面に今度は平手がヒットした。 「テメーが人の男に色目つかうからだろ!ガキのくせにませてんじゃねー!」 「だからあっちが手出してきたんだ!」 藍は真っ赤になった頬に涙をつたわせながら叫んだ。  
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