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朝、この通学路を通る度に、そこにいるあなた。 自然と目が行ってしまう私。 それが“恋”と気がついたのは、友達の一言だった。 「由美、通学路の途中の神社あるでしょ。」 「突然、なに?」 由美は、私の小学校時代からの親友。 と言っても、この小さな町に学校はここしかなく、 クラスも1クラスしかないのだから、 ほぼ全員が、小学校からの仲間だ。 その中でも、特に仲がいい由美とよく一緒にいる方が多い。 「そこに、3ヶ月前から男の人がいるの。」 「よく話が見えないよ。」 「その男の人ね、階段の途中に座って、じっと前を見ているんだよ。」 由美の言葉に耳を貸さず、ただ独り言のように話す。
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