32人が本棚に入れています
本棚に追加
朝、この通学路を通る度に、そこにいるあなた。
自然と目が行ってしまう私。
それが“恋”と気がついたのは、友達の一言だった。
「由美、通学路の途中の神社あるでしょ。」
「突然、なに?」
由美は、私の小学校時代からの親友。
と言っても、この小さな町に学校はここしかなく、
クラスも1クラスしかないのだから、
ほぼ全員が、小学校からの仲間だ。
その中でも、特に仲がいい由美とよく一緒にいる方が多い。
「そこに、3ヶ月前から男の人がいるの。」
「よく話が見えないよ。」
「その男の人ね、階段の途中に座って、じっと前を見ているんだよ。」
由美の言葉に耳を貸さず、ただ独り言のように話す。
最初のコメントを投稿しよう!