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そして麻穂が着いた時農民はほとんど死に絶えていた
1人の幼い少女が必死に闘っている
「あの家紋…織田軍か」
腰に差してある刀の柄を握り
ゆっくりと刀の名前を呼びながら抜く
「和泉守兼定」
刀身が全て現れる
刀身に梵字が刻まれており
光に反射して光輝いてみえる
兼定を下段に構え今にも少女に振り下ろされそうな刀を弾く為に走りだす
振り下ろされた瞬間麻穂は少女と足軽の間に割ってはいる
ガキィィインと金属音が鳴り響く
「農民相手に本気とは…
お前等の主君の器がしれるな」
『おら助かっただか?』
「もう大丈夫だ。」
突然割り込んで来た麻穂に驚きを隠せない足軽
『なっお前は何者だ?!』
「名乗る程でもない
氷呀!この少女を此処から遠ざけろ」
『御意』
突然現れた大狼に驚く少女と足軽集団
氷呀は気にする事無く少女の近くまで寄っていく
『ひっ…おらを喰っても旨かねぇぞ』
『喰らわぬ
我の背中に乗れ
主の命令だお前を此処から遠ざける』
『いやだ!!此処はおらたちの村だ!!』
『主が彼奴を退ける』
『え?』
氷呀は麻穂に視線をよせる
「こんな辺鄙な村を襲うとはな…
まぁ良いさお前達の辿り着く場所は皆同じ
和泉守兼定…虎徹!」
麻穂が兼定を横一線に振る
刀の残像から白い虎が数匹現れ足軽集団に襲い掛かる
「まだだ…兼定…菊一文字!」
足軽に走りより下から上に切り上げ首を切り落とす
『き…菊の花が…』
それが足軽の最期の言葉だった
『『『うわぁぁぁあ!!!逃げろぉぉお!!!』』』
足軽集団は自分達では適わないと分かると直ぐ様逃げ出した
「こんなもんか」
兼定に着いていた血糊を払うと鞘に収めた
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