プロローグ

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「ふぅ…氷呀…氷月は何処にいる?」 『尾張、大阪の様子を見に行っている』 「そうなら良いや でキミは大丈夫?怪我は無い?」 麻穂は少女に駆け寄り立たせて怪我の有無を確かめる 『おめぇさん何者なんだ?』 「ついさっき里を降りて良いって許可をもらった雇われ忍さ」 『名前はなんて言うんだ? おらはいつき!』 「麻穂だ 神代麻穂よろしくいつき」 『麻穂ねぇちゃんだな? おらたちの村を助けてくれてありがとな!』 いつきは花も綻ぶ様な笑顔を麻穂に贈る 麻穂は無意識に口が緩む 「助けられてなによりだ それより此処は独眼竜の領土じゃないのか?」 『蒼いお侍の事か? もうすぐ来ると思うだ』 『主』 「なに?」 『馬の足音が二頭分近付いている』 「そうか… 氷呀」 『御意』 氷呀はいつきを自分の後ろへ押しやる そしてそのまま徐々に近付いてくる音に警戒をする 再び腰に差してある刀の柄を握りゆっくりと刀の名前を言う 「来るな…華飛羅祠亞」 今度は刀身が曲線を描いた雌雄一対の刀が現れる 『麻穂ねぇちゃんの武器が変わった?』 『主は6つの武器を操る』 すっと目線をいつきから森へと変える氷呀 『Shit!遅かったか…チッ』 「独眼竜伊達政宗と見受けるがよろしいか?」 『Ah?俺が奥州筆頭伊達政宗だ』 「農民達の無念を受け止め地獄に行け華飛羅祠亞…雪華」 突然吹雪く 『政宗様!』 『チッ何も見えねぇ…』 「散り逝け」 麻穂が政宗に斬り掛かろうとした時いつきが止めた 『蒼いお侍は良いお侍だべ!! 止めるだ麻穂ねぇちゃん!!』 「そう…いつきが言うなら止める」 後数センチで刀身が政宗の首に触れるというところで麻穂は刀を下げる 「いつきに感謝するべきだね」 華飛羅祠亞を鞘に収めた くるりと政宗達に背中を向けいつきの方へ 『Stop!お前何者だ?』 「ただの忍さ」 『お前が助けたのか?』 「あぁ領主がなかなか来なかったから」 『蒼いお侍!麻穂ねぇちゃんは滅茶苦茶強いだ!』 『Hum…だろうなOK… 麻穂と呼ばれてたな?』 「そうだけど?」 『あんたに礼がしたい 城に来てくれ』 『政宗様?! 何者かも判らぬ者を城に上げるなど…』 『Shet up こいつは俺の国民を助けた 自分に何の利益もなく その礼するんだ』 「…別にあたしはどっちでも良いんだけど…」 『Came on』 「着いて来い的な?」 『ホントにありがとな麻穂ねぇちゃん』 麻穂はいつきの頭を撫で政宗達を追い掛ける .
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