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花のない花見もそろそろ終盤を迎えようとしていた。
暇な大学生は何かにかこつけて、飲み会を開催する。
気持ちよく酔っている俺はそろそろいいかなと思い、隣に座っている友人に声をかけた。
「悪い、用ができちゃって、先抜けるよ」
「またか、分かったよ」
彼は軽く笑って、俺の肩をポンと叩くと、また話の輪の中へ戻った。
用など何も無い。
俺は先輩や他の友人に気付かれないようにトイレに行くフリをしながら、席を離れ、居酒屋の玄関へと向かった。
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